軍艦大好きさんの作品集
Gallery 5 2007
日本海軍 駆逐艦 暁 1932  響 1945
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<実艦について>
 吹雪型(特型)駆逐艦はネームシップの「吹雪」が1928年に竣工し、2番艦「響」が1933年に竣工しており、5年間で24隻が建造されました。
 24隻の吹雪型駆逐艦はT型、改T型、U型、V型の4タイプに分けることができます。
 「暁」はV型のネームシップ、「響」はV型の2番艦となります。「暁」と「響」が属するV型は機関性能の向上に伴って、U型やT型では主缶が4つあったのもが、3つに減少したために、第一煙突が細くなったことが最大の特徴です。また、竣工当時は艦橋構造物がU型よりも大きなものとなりました。このため、艦の上部の重量増加に伴い復原性能が悪化し、後に性能改善工事を受けて艦橋構造物はシンプルで小さなものに改装されています。
 「暁」は昭和1932年11月30日に佐世保工廠で竣工し、1942年11月12日の第三次ソロモ
ン海戦にて米艦隊と交戦して沈没しました。
 「響」は1933年3月31日に舞鶴工廠で竣工し、終戦時残存しています。
<キットについて>
 タミヤがウォーターラインシリーズ(WL)として1972年に39として「暁」を、52として「響」を発売したキットで、発売当初は既存キットに比べてシャープなキットとして大好評だったそうです。現在ではWLのシリーズbェ改定されて「暁」は406、「響」は407として発売されていますが、開発されてから35年が経過して金型が疲弊し
ているようで、パーツの状態はあまりよくありません。また、モールド表現も時代遅れな部分が目立っており、リニューアルが待たれるキットとなりました。

<作例について>
 今回は追加工作をかなり行っています。主な工作内容は以下のとおりです。
 「暁」は竣工当時(1932年)の設定で、性能改善工事前の状態です。基本的にはキットの艦橋パーツを使用していますが、細部は修正しています。主砲塔はB型砲をピットロード(PT)の武装パーツより調達しています。甲板のリノリウム押さえ金具は0.2o
真鍮線にて再現しています。伝声管やビームもプラ棒にて再現しました。後部魚雷兵装もPTの武装パーツを加工して取り付けています。探照燈前の機銃座をプラ板で、艦尾爆雷運搬軌条もプラ棒にて再現しました。
 「響」は最終時(1945年)の設定で、大戦中に武装強化された状態です。艦橋パーツはU型の「綾波」のものを加工して使用しています。主砲塔はB型砲の改装後のものをPT武装パーツより調達しています。爆雷兵装や単装機銃、後楼の13号電探もPTの武装パーツより調達しました。甲板のリノリウム押さえ金具は0.2o真鍮線にて、舷外消磁電路はプラ棒にて再現しています。