旧ソ連海軍ウダロイ級駆逐艦 | アドミラル・ザハロフ |
海上自衛隊 護衛艦 | DE-229 あぶくま DE-230 じんつう |
旧日本海軍 軽巡洋艦 | 阿武隈 |
旧日本海軍 戦艦 | 富士 |
海上自衛隊 護衛艦 | DD-113 やまぐも |
<実艦について>
秋月は秋月型1番艦として1942年6月11日に舞鶴工廠で竣工しました。ガ島輸送に従事した後、第10戦隊第61駆逐隊に編入されます。1943年1月には第10戦隊の旗艦となりますが、敵潜水艦の雷撃で損傷して戦線離脱。損傷修理のため、佐世保へ帰港します。帰港中に艦のキールが折れて艦首部分と船体部分を切断してしまいました。11月には修理が完了し空母「千歳」、「翔鶴」の護衛します。1944年6月にはマリアナ沖海戦に参加、10月にはレイテ沖海戦に参加し空母「瑞鶴」の直衛として活躍しましたが、10月25日に敵潜水艦の雷撃を受け、沈没しました。
照月は秋月型2番艦として、1942年8月31日に三菱長崎造船所で竣工しました。同年10月には第61駆逐隊に編入され、南太平洋海戦に参加し、空母「瑞鳳」の警戒艦として活躍します。11月には第三次ソロモン海戦に参加し、戦艦「比叡」や「霧島」の乗員救助を行いました。その後、第10戦隊旗艦となりますが、翌月の12月には旗艦が新鋭軽巡の「阿賀野」に移ります。そして、ガ島輸送警戒艦の任務に従事中の12月12日、ガ島沖にて敵魚雷艇と交戦。被雷により航行不能となり自沈しました。
<キットについて>
1/700秋月型のインジェクションキットは、ウォーターラインシリーズ(WL)のアオシマ、スカイウェーブシリーズ(SW)のピットロードおよびシーウェーイモデル(SWM)のフジミから発売されています。WLキットは現在のリニューアル作業の初期作品となり、フジミ製品がシリーズより欠落した穴埋めとして開発されました。約10年前となる発売当時の感覚ではシャープなキットでした。現在では、モールド不足が目に付くキットです。また、付属の小型艦艇用艤装パーツセット内に本来使用するべきものが不足していることから、短艇や探照灯などに誤りが見受けられます。WLでは秋月型が6隻発売されており、このほかに限定版として2隻が発売されたことがありました。6隻は3回の発売(1回につき2隻)によってラインナップしました。「秋月」と「照月」はこの3回の発売中、初回発売の2隻となり、両方とも竣工時の姿を現しています。
<作例について>
−秋月(1943)の作例について−
「秋月」のキットは竣工時仕様ですが、これを第1回目の対空機銃増備仕様(1943年初頭)で建造しました。以下の追加工作を行っています。
・0.25o×0.5oプラ棒により、舷外消磁電路を再現しています。
・煙突脇の増設機銃座は、他キット(初月または涼月)より調達しています。この機銃座には三連装機銃を装備します
・煙突後部の既存の機銃座には連装機銃を装備します。
・機銃類はPTの武装パーツを使用。
・0.2o真鍮線により、甲板のリノリウム押さえ金具を再現しています。
・艦橋頂部の94式高射指揮装置はリニューアルパーツを使い、下部を削除して使用しています。
・後部の高射指揮装置は測距儀がなかったようなので、両脇のものを削り落としています。
・艦尾の爆雷投射機と装填台はピットロード(PT)の武装パーツに置き換えています。
・船体側面の窓を0.6o径ピンバイスにて再現しています。
・探照灯は90pのものが正解です。WLの大型艦艇用武装パーツより調達します。
・短艇類も9mカッターと内火艇が正解ですので、WLの大型艦艇用武装パーツより調達します。
・主砲塔は砲身間のフレームが不足しているので、プラ棒にて再現。砲塔側面の窓も再現しました。また、砲身はちょっと実艦と違いすぎるので、0.5oプラ棒に変更しました。・艦尾の両舷にプラ棒にて爆雷を再現しました。
・艦尾形状はプラ板とパテにて末広がりに修正しています。
・船体中央部の機銃台下部の方位測定室が再現されていないため、プラ棒にて再現。探照灯下部の後部操舵室も円柱ではなく四角柱なので、プラ板で形状変更しています。
・前マストは0.4oプラ棒を追加し、実艦に近づけました。
・船体や上部構造物は、我が造船所の駆逐艦色である舞鶴工廠グレーを使用せず、軽巡クラスの大きさなので呉工廠グレーで塗装しました。リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。
−照月(1942)の作例について−
「照月」は1942年に竣工し同年中に沈没しました。したがって、艦容の変化がないために竣工時仕様で建造しました。追加工作については「秋月」とほぼ同じなので、違うところのみ以下に示しました。
・0.3oプラ棒により、甲板のリノリウム押さえ金具を再現しています。
・機銃類はPTの武装パーツを使用、機銃台に載せるのは三連装ではなく連装機銃となります。
・船体や上部構造物は、我が造船所の駆逐艦色である舞鶴工廠グレーを使用せず、軽巡クラスの大きさなので呉工廠グレーで塗装しました。リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。
旧日本海軍 駆逐艦 | 初月1943・若月1944 |
<実艦について>
初月は秋月型4番艦として、1942年12月15日に舞鶴工廠で竣工しました。翌1943年1月15日には第10戦隊第61駆逐隊に編入されます。1943年3月より12月までトラック付近で輸送任務に従事しました。12月24日には僚艦「涼月」とウェーキ輸送に従事しますが、「
涼月」が敵潜水艦の攻撃を受けて被雷したため、本土に引き返します。1944年2月に空母「翔鶴」、「瑞鶴」を護衛、3月には空母「大鳳」の護衛します。同年6月にはマリアナ沖海戦に参加し、10月にはレイテ沖海戦に参加。レイテ沖海戦では機動部隊直衛として活躍しますが、空母部隊は全滅しました。10月25日、空母「瑞鶴」乗員を救助後、米艦隊に捕捉されて砲撃戦となり、被弾して沈没しました。
若月は秋月型6番艦として、1943年5月31日に三菱長崎造船所で竣工しました。第11水雷戦隊に編入されます。同年11月まではトラック付近で行動。11月2日のブーゲンビル島沖海戦に参加、11月12日に至近弾を受け損傷、横須賀へ入港し修理。1944年2月には僚艦「初月」とともに空母「翔鶴」、「瑞鶴」を護衛、3月には空母「大鳳」を護衛します。6月にはマリアナ沖海戦に参加し、「大鳳」の直衛を勤めます。6月28日には軽巡「大淀」を護衛して横須賀へ入港。10月にはレイテ沖海戦に参加し機動部隊の護衛に従事。同年11月にオルモック輸送作戦に参加しましたが、敵機の爆撃を受け沈没しました。
<キットについて>
1/700秋月型のインジェクションキットは、ウォーターラインシリーズ(WL)のアオシマ、スカイウェーブシリーズ(SW)のピットロードおよびシーウェーイモデル(SWM)のフジミから発売されています。
WLキットは現在のリニューアル作業の初期作品となり、フジミ製品がシリーズより欠落した穴埋めとして開発されました。約10年前となる発売当時の感覚ではシャープなキットでした。現在では、モールド不足が目に付くキットです。また、付属の小型艦艇用艤装パーツセット内に本来使用するべきものが不足していることから、短艇や探照灯などに誤りが見受けられます。WLでは秋月型が6隻発売されており、このほかに限定版として2隻が発売されたことがありました。6隻は3回の発売(1回につき2隻)によってラインナップしました。「初月」と「涼月」はこの3回の発売中、最後に発売された2隻となり、「初月」は1944年、「涼月」が1945年の姿を現しています。
今回は「初月」を後部高射指揮装置を撤去していない頃の1943年時仕様、「涼月」を6番艦「若月」として1944年10月頃のレイテ沖海戦前の対空機銃増備状態として建造しました。WLキットでの建造は、前記のとおり、探照灯や短艇を別途調達する必要があります。WLの大型艦艇用艤装パーツがあれば、特に問題ありません。
なお、「涼月」のキットは1945年頃を再現する場合、艦橋形状が実艦と異なっており、この部分が気になるところです。以前、限定版として実艦に正確な形状の艦橋パーツが入っていた限定版が発売されたことがありました。
<作例について>
−初月(1943)の作例について−
「初月」のキットは1944年時仕様ですが、これを僚艦「秋月」の第3回目の対空機銃増備状態(1943年)で建造しました。以下の追加工作を行っています。
・0.25o×0.5oプラ棒により、舷外消磁電路を再現しています。
・煙突後部の既存の機銃座には連装機銃を装備します。
・機銃類はPTの武装パーツを使用。
・0.2o真鍮線により、甲板のリノリウム押さえ金具を再現しています。
・艦橋頂部の94式高射指揮装置はリニューアルパーツを使い、下部を削除して使用しています。
・後部の高射指揮装置は測距儀がなかったようなので、両脇のものを削り落としています。
・艦尾の爆雷投射機と装填台はピットロード(PT)の武装パーツに置き換えています。
・船体側面の窓を0.6o径ピンバイスにて再現しています。
・探照灯は90pのものが正解です。WLの大型艦艇用武装パーツより調達します。
・短艇類も9mカッターと内火艇が正解ですので、WLの大型艦艇用武装パーツより調達します。
・主砲塔は砲身間のフレームが不足しているので、プラ棒にて再現。砲塔側面の窓も再現しました。また、砲身はちょっと実艦と違いすぎるので、0.5oプラ棒に変更しました。
・艦尾の両舷にプラ棒にて爆雷を再現しました。
・前部マストトップの21号電探は、限定版の「春月」よりエッチングパーツを調達しました。
・艦尾形状はプラ板とパテにて末広がりに修正しています。
・船体中央部の機銃台下部の方位測定室が再現されていないため、プラ棒にて再現。探照灯下部の後部操舵室も円柱ではなく四角柱なので、プラ板で形状変更しています。
・前マストは0.4oプラ棒を追加し、実艦に近づけました。
・船体や上部構造物は、我が造船所の駆逐艦色である舞鶴工廠グレーを使用せず、軽巡クラスの大きさなので呉工廠グレーで塗装しました。リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。
−若月(1944)の作例について−
「涼月」のキットを使い、1944年10月のレイテ沖海戦前の「若月」としました。僚艦「秋月」のレイテ沖海戦時を参考とすると、海戦時には艦載艇を一部陸揚げし、空きスペースには単装機銃を装備していたようです。したがって、作例では短艇類をそのまま搭載している姿で単装機銃類を装備しているレイテ沖海戦前としました。機銃配置は「若月」の装備位置が不明なため、僚艦「秋月」の装備位置となっています。
作例の最もアピールしたい部分は、後部高射指揮装置が25o三連装機銃になっていることと、艦尾に爆雷投下台が装備されていることです。1943年時の「初月」と比べていただければ、艦容の変化がわかると思います。
追加工作については「初月」とほぼ同じなので、違うところのみ以下に示しました。
・艦尾の爆雷投下台はPTの武装パーツを使用しています。
・単装機銃はPTの武装パーツを使用しています。
・前部マストトップの21号電探は、ハセガワのエッチングパーツシリーズより調達しました。
・船体や上部構造物は、我が造船所の駆逐艦色である舞鶴工廠グレーを使用せず、軽巡クラスの大きさなので呉工廠グレーで塗装しました。リノリウムはPT社の艦船カラーのリノリウム色で塗装、そのほかはすべてGSIクレオスのMr.カラーを使用しています。