かさ・まくさんの作品集
1/700 SEALSMODELS RESIN KIT
大日本帝国陸軍輸送船 橘丸
モデルグラフィックス2007年1月号・2007年2月号掲載作品
『橘丸』は昭和10年5月31日に竣工され昭和48年1月19日の引退式を迎えるまで、長きに渡り航海を続けた東京湾汽船(現・東海汽船)所有の内航客船です。
 日中戦争では海軍特設病院船、太平洋戦争では陸軍輸送船から陸軍病院船と徴用されました。特に終戦間際での国際法違反となってしまった「橘丸事件」はあまりにも有名です。
戦後は引き揚げ船として、東海汽船復帰後は大島航路を結ぶレジャー船として活躍しました。
 激動の昭和を生き抜いた『橘丸』はさまざまな人々の心の中
に今も生き続けていることでしょう。
皆さん、こんにちは。「かさ・まく」と申します。
kansen太郎さんからのお誘いでギャラリーにお邪魔させていただきました。
 
このキットはモデルアート社とフォーサイト社共同で企画されたレジン製であり、スケールは1/700です。橘丸は全長が80.4mですから1/700にすると11.5cmという水雷艇クラスとほぼ同じサイズとなります。
初めて手にした感想は『小さな船だな』でしたね。
 今回、僕が製作した橘丸は輸送船として陸軍に徴用された状態を再現してみたものです。
 昭和初期の客船は日除けのためにオーニングが張り巡らされていたので、支柱を自作してみました。船尾から眺めた独特の雰囲気を再現できたのではないかと思っています。
 船首は装備品の密度感を大切に製作しました。また陸軍輸送船時には船首に機銃が2基装備されていたとのことですが、モーゼル型20ミリか海軍と同じオッチキス型25ミリかが解らない(資料より)ため、エッチングパーツとして手持ちがあるオッチキス型25ミリと強引に決め付けて載せておきました。
 塗装は『輸送船としての半年間は激務のため化粧直しはしていない』と考えて、ウエザリング(特にさびの表現)をきつめに入れておきました。
 
と、いうことで、今後ともよろしくお願いいたします。